首都圏大学非常勤講師組合・早稲田ユニオン分会からの公開質問状への回答

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2015年6月11日

首都圏大学非常勤講師組合
早稲田ユニオン分会代表 大野英士様

早稲田大学教員組合執行委員会
早稲田大学職員組合執行委員会


日本語教育研究センターインストラクター就業規則の届出に関する過半数代表選挙についてのお問い合わせに対し、以下のようにお答えします。

 まず、教職両組合執行委員会ならびに推薦候補は、これまでも説明してきましたが、教職両組合執行委員会推薦の過半数代表者が有期雇用教職員の労働条件にかかわり意見書を提出する際には、早稲田ユニオン分会が係争している事項については、早稲田ユニオン分会の意見もふまえて意見書作成にあたることをあらためて申し添えます。

 なお質問では早稲田ユニオン分会代表の他に非常勤講師組合委員長名も併記されていますが、これまで早稲田ユニオン分会代表と教職両組合では文書のやり取りをしてきたこと、あとで述べる「きょうとうニュース」第693号の中で引用している文書も早稲田ユニオン分会代表宛のものを引用していることから、返事は早稲田ユニオン分会代表宛とします。


質問1)2015年6月8日付『きょうとうニュース』(第693号)で、早稲田ユニオン分会が教職員組合に対して「事実と異なる批判」をしているとの記述がありました。こちらに事実誤認があれば早急に訂正しますので、首都圏大学非常勤講師組合・早稲田ユニオンの責任で作成・配布したどの書類のどの箇所に「事実と異なる批判」があったのか、具体的にご指摘お願いします。

このご質問に答える前に、首都圏大学非常勤講師組合ホームページに掲載されている早稲田ユニオン分会の新たなビラ(第2号ビラ)には「専任教員組合全執行部(岡山委員長・岡田書記長)と首都圏大学非常勤講師組合・早稲田ユニオンとの間で、非常勤に係わる過半数代表選挙には早稲田、戸山、西早稲田(理工)キャンパスおいて非常勤講師・早稲田ユニオンが候補をたてるという合意が結ばれていました」〔原文ママ・下線部は教職両組合で追記〕との指摘があります。

 この件は過去に早稲田ユニオン分会にも何度もご説明していますが、岡山氏が教組執行委員長を務めていた時の執行委員会見解「過半数代表者選出手続き問題の経緯と教職統一候補の擁立について」(2014年4月18日付「きょうとうニュース」第678号)の中で「今回の過半数代表者の選出は、『非常勤講師就業規程の改廃に関する意見聴取』以外の事項に関しての過半数代表者選出です。選出方法は事業場(キャンパス)ごとに1名の代表を選出する方法とります。そのため教員組合と職員組合では8つの事業場に統一候補(それぞれ4事業場ずつ)をたてることにしました。また後日行われることになると思われる『非常勤講師就業規程の改廃に関する意見聴取』に際しては、首都圏非常勤講師組合早稲田ユニオン分会が擁立する候補に配慮して、教職両組合は立候補する事業所の箇所を限定する予定でいます」〔下線部は教職両組合が追記〕とあるように、教職両組合執行委員会と早稲田ユニオン分会との意見交換の到達点として「『非常勤講師就業規程の改廃に関する意見聴取」に限定して、早稲田・戸山・西早稲田キャンパス(事業所)では、教職両組合の推薦候補を擁立しないことを申し合わせをしているにすぎず、「非常勤」にかかわる教職員すべてを対象としているわけではありません。

 現教職両組合執行部は、前期執行部の上記見解を受け継ぎつつも、「有期雇用者の契約年限に関する規程」に規定されている教職員の多くは、これまで教職両組合がその労働条件について交渉をしてきたものである一方、早稲田ユニオン分会が労働条件をめぐり大学と交渉している有期教員の問題もあることから、そうした案件について教職両組合推薦の過半数代表者が意見書を作成する場合は「早稲田ユニオン分会の見解もふまえて意見書を作成する」と申し上げているところです。

 以上をふまえ「事実と異なる批判」の問題に触れるならば、これは3項の質問とのかかわりがあります。3項の質問にある早稲田ユニオン分会代表名で出されている非常勤講師各位宛文書の中で「専任教職員組合執行部は早稲田当局と一体化」「非常勤講師組合との協定を無視」「早稲田ユニオンに対する背信行為」などと誹謗していることが、如何に事実と違うかを説明するために「きょうとうニュース」第693号をまとめています。

 そこでせっかくの機会ですので、早稲田ユニオン分会を支持されているみなさんにも教職両組合執行委員会の考え方を正確に理解していただくために、以下にその「きょうとうニュース」の該当部分の全文を掲載します。これをお読みいただき、ご批判・ご意見があれば教職両組合執行委員会宛にお寄せください。

「きようとうニュース」693(該当部分のみ・表示形式・改行については一部加工)


質問2)上記『きょうとうニュース』には、労働基準法第90条には、過半数代表者の意見書の添付が労基署への就業規則届出に義務づけられてはいるが、就業規則の内容に問題があって労働者の過半数代表が意見書で異議を申し立てたとしても、雇用者はそれを考慮する義務はなく、要は「過半数代表者から意見を聴取した」という形さえあれば、労基署はその就業規則を受理し、就業規則は法的な有効性を持つとされる現実については一切言及されていません。たとえ「早稲田ユニオン分会の意見も踏まえた」意見書を教職員組合推薦の過半数代表候補が提出したところで、大学がその意見を踏まえる必要がない、ということを教職員組合執行委員会は認識していましたか?
  また認識していたとすれば、なぜこのことを『きょうとうニュース』に記さなかったのでしょうか?その理由をご説明下さい。

大学が届出ようとしている日本語教育研究センターインストラクター就業規則は、就業規則で定める要件や他の職種で記載されている事項、たとえば、休日・休暇、福利厚生、安全衛生、災害補償等に関わる事項が抜けています。組合活動においては、様々な方法を通じて、組合員間の議論をおこし、団結力をたかめ、要求実現をはかるのが原則だと考えます。労働基準法第90条には、過半数代表者の意見書の添付が労働基準監督署への就業規則届出に際して求められており、そのことも一つの手段として、過半数代表者は意見をしっかり表明すべきだというのが教職両組合執行委員会の考えです。

 上記質問からすると早稲田ユニオン分会の候補者は“過半数代表者になっても意見書を出さない”と言明していることから、早稲田ユニオン分会は「どうせ大学は意見書の内容を無視して届出をおこない、労働基準監督署はこれを受理してしまうのだから、意見書を出さなくてよい」との考えに立脚しているようです。意見書を提出しないことで何らかの効果があるならばそれも一つの方策だと思います。しかし厚生労働省労働基準局長通達では「労働組合が故意に意見を表明せず又は意見書の署名又は記名押印を拒否するような場合にも、意見を聴いたことが客観的に証明できる限り届出を受理する」(S23.5.11 基発第735号、S23.10.30 基発第1575号)とされています。教職両組合執行委員会は就業規則の届出に関するこの通達をふまえて対応することも必要と考えます。

 大事なことは、大学が届け出ようとしている就業規則が、@就業規則要件を満たしていないこと、A現状において日本語教育研究センターインストラクターの教員が他の職種の就業規則と照らしても不十分な扱いであること、をはっきりさせ、同時に現在の早稲田ユニオン分会が係争している労働条件改善に向けた課題をも、意見書提出後も継続的に交渉して、改善させることが必要だと考えています。

 また早稲田大学では留学生を増加させる政策がとられており、ますます日本語教育の重要性は高まってくるものと思われます。その教育にあたる日本語教育研究センターの専任教員、非常勤講師、日本語インストラクター(任期付)、日本語インストラクター(非常勤)の各教員の役割や位置づけがどうあるべきか、それらの方々の労働条件の問題とともに、今後、議論が必要と考えており、教職両組合ではそうした点からも大学の考えをただしていきたいと考えています。


質問3)上記『きょうとうニュース』にある「日付不明の非常勤講師宛文書」とは何のことか不明ですが、私信や非公開のメールのことを指すのでしょうか。

「日付不明の非常勤講師宛文書」についてのお問い合わせですが、これは「早稲田大学非常勤講師の皆様」と題した、早稲田ユニオン分会代表名の入っている7ページにわたる文書です。宛先からみて広範囲に配付されたようであり、教職両組合宛にも届きました。この文書について貴組合では「不明」との見解をお持ちとのことですので、文末にその本文を別掲しますのでご確認ください。ここで指摘されている事項とのかかわりで、先ほど述べた「きょうとうニュース」第693号で教職両組合の見解を表明しています。


「早稲田大学非常勤講師の皆様」と題した文書
(文章は原文ママ、表示形式・改行については一部加工)

***


以上3つの質問にお答えしましたが、いずれにしても有期雇用の教職員の労働条件改善に向けて、教職両組合執行委員会は早稲田ユニオン分会と考え方がすべて一致するわけではありませんが、必要な協力関係を続ける立場にはかわりはありません。

 教職両組合執行委員会は2015春闘においては、経済課題においては非専任教職員に対して2%の本給改定を理事会から引き出しています(2014年春闘でも1%改定、但し2015年度から実施)。この回答だけで現在の非専任教職員の経済課題として求める改善水準に達しているとは思いませんが、継続的に経済課題を含めた諸条件について大学側と交渉をしていくことは大切なことと考えています。

 今回の日本語教育研究センターインストラクター就業規則の届出をめぐる過半数代表選挙においては、教職両組合と早稲田ユニオン分会から候補者が出て争うことになりましたが、必要な課題については相互理解と共通認識をはかり、協働関係を築いていく考えでいることは、これまで通りであることを最後に表明しておきます。

以 上


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